2019/7/20
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OSJ ONTAKE100km(鈴木) |
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神が宿ると言われている御嶽山から南側に連なる山々を、深夜0時にスタートし、約100k(OSJはアバウト)、累積標高約3000m(OSJなのでこれもアバウト。実測4000mという方もいた)のコースを駆け巡る。制限時間は20時間。これには"約"が付かない。スタート前に神主が祝詞をあげ、御嶽山に向かって2礼2拍手1礼の儀式を行い、安全に怪我のないよう完走することをみんなで祈願した。このレースは14時間以内に完走できれば次回は100マイルにチャレンジできるので、私も何とか14時間切りができないか考えたが、苦手な下りをしっかり走れれば可能ではないかと思った。 レースの受付は土曜日の17時までとなっていたが、この日は都内で朝から仕事が入っていた。会場まで車で5時間ぐらいかかるので、3連休の渋滞も考慮して11時前には仕事を終わらせて会場向かった。ところが中央道が都内の首都高から上野原までの間で大渋滞が発生していたため、締め切りの15分前にぎりぎりで到着した。 スタートは想定通りのしっかりとした雨。スタートして4キロぐらいは舗装路で、そこからトレイル区間になる。トレイルといっても普段は閉鎖されている林道で、ほとんどがガレ場。ここで色々なアクシデントが発生した。 アクシデントその1 ヘッドランプがチラチラし始め、その内に暗くなったり明るくなったりして視界不良となった。緊急用のハンドライトを持っていたが照度が低いため凹凸がわかりにくい。スタートするときにスイッチが入りづらい状態になっていたが、交換するものもなくどうしようもなかった。 アクシデントその2 ヘッドランプが使えなくなったため、明るいヘッドランプを付けているランナーの後ろに着いて走っていたが、5kmぐらいのところで、浮石でバランスが崩れて転倒してしまった。膝を強く打ち、血だらけになり、膝外側の骨の激痛でしばらく立ち往生となる始末。スタート地点に引き返す事も頭をよぎった。 アクシデントその3 やっと動けるようになったと思って少し走り始めた途端に、暗くて気が付かなかった岩に足が引っ掛かり転倒。遅いスピードなのでこれは軽傷で済んだ。 アクシデントその4 最初のエイドステーションを過ぎて、少し下っているところで、よけたはずの大きな石につま先が引っかかり、スピードもでていたので激しく転倒。打ったところ、擦過傷の位置はアクシその1とまったく同じ。転倒した先が大きな水たまりになっていたため前進ずぶ濡れとなった。水溜りから這い出たものの激痛で雨に打たれながらしばらくうずくまっていた。その間、何人かのランナーに声をかけてもらったが、全体的にクール&ドライな雰囲気。その内の一人の言葉、「これは修行だと思って耐えてください」。「そうか、私は神の前で修行にきたんだ」と自分に言い聞かせ立ち上がる。びっこを引いて歩き始めるが、なんと左のあばらが痛くて腕が振れない。転倒したときに岩に脇腹をぶつけたようだ。
まだ、5分の1にも満たない距離でとんでもない状態になった自分か情けなくなった。雨は強くなったり弱くなったりして、傷口の血を流してくれる。 第一関門が34k地点で朝6時まで着けばいいので、時間的にはまだいけそうであるが、下りになると強打したところの骨が強く痛む。それでも関門時間の20分前ぐらいに到着できた。次の関門は33km先で6時間後の昼の12時。平地で歩いても無理な距離と時間。スタッフにリタイアの相談を持ちかけて見たら、傷をみて、「小石がたくさん刺さっているので先ずはそれを取ってあげましょう」と言って、女性スタッフが手当てをしてくれた。かなりのドSの方でないとできないような、傷にこびりついた小石を除去する処理を受け、しばらく考えていた。 とりあえず効くかどうか分からないけど、ロキソニンのお世話になり前に進むことにした。関門閉鎖となる午前6時前にスタートしたが、ロキソニンの効果がでてきた。痛みがかなり和らいできて、登りは走っても痛みを感じなくなった。ならば、と走りはじめ、第二関門には午前11時に到着した。ここでは、デポジットバッグに入れておいたおにぎり2個とどら焼き1個食べてトイレを済ませ残りの作戦を考えた。残り33kmを8時間かけて進めば完走が見えてくる。 ここでOSJの課題であるが、ここまでのエイドの仮設トイレは1基のみ。行列20分ぐらいかかる。女性は可哀そう。 33kmを8時間、これは気が楽だ。と思いきや、気が緩んだせいか激しい眠気に襲われ、立っていても膝がかくんと折れ曲がってしまうほどである。左側はガードレールもない崖なのでなるべくキープライトで朦朧と歩いていた。その時、追い越した女性がまた戻ってきて、食べるコーヒーがあるので使ってみてくださいといって、4粒もいただいた。その有難さとカフェインが効いたのか、それから眠気がふっとび、12km先のエイドまで楽に進むとができた。このエイドに到着してみたら、なんとここにも関門が設定されていた。眠気でフラフラしていたらどうなっていたのか。食べるコーヒーをくれた女性に感謝です。 ここまでくると、残り21kmで5時間残っている。膝の痛みは出てきたが、ロキソニンの再投入で痛みが和らぎ、残り6kmとなる最終エイドを通過できた。 そしていよいよゴールとなるところだが、舗装路にでてしばらくすると、100kmの看板があり残り4kmとなっている。「ん?何これ」と思ったが、やっぱりOSJとほほ笑んで4kmをしっかり走り、”約”104kmを17時間34分でゴールできた。 非常に苦しいレースであったが、良かったことありました。 なんと、川の道(520km)2年連続女性1位の岡さん(2017年IAU 24時間走世界選手権代表選手)と言う方と、スタート前まで車の中でお話することができ、緊張感なくスタートできた。緊張感無さ過ぎで直ぐに転倒したのかもしれない。ちなみに、この岡さんは12時間台でゴールし、来年は100マイルにチャレンジするとか。 |
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