2019/7/15
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鳥の旅(鈴木) |
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初参加の鳥の旅、下諏訪を金曜日の深夜0時にスタートし、甲州街道の旧道を辿り日本橋がゴールで、215kmを走る。ただしこの距離は現在の国道20号線の距離で、旧道をすべて選択するともう少し長くなると言われている。このイベントは個人企画であるが参加者はフルとハーフ併せて100名ぐらいいる。ちなみにハーフは甲府スタートとなる。 地図読みができないとコースロストが多くなるものの、レースではないのでその点は適当に対処できるが、やはり旧道には歴史を感じさせる面影や史跡がたくさんあるということなので、私は旧コンプリートを目標にスタートした。 スタート地点は、中山道から甲州街道が始まる諏訪大社で、金曜日の夜24時スタートする。ちなみに国道19号線と国道20号線の分岐は塩尻になっている。 仕事の疲れが残ったままの状態なので眠気が心配であったが、初めてのイベント参加ということもあり、みんなとわいわいしながら走っていたので初日の眠気は問題なかった、 深夜の旧道は暗闇に包まれているため、昔の面影を見ることができず、さらに困ったことは、コンビニなどが無いため、飲み物や食べ物の補給ができないことであった。また、旧道の殆どがアップダウンの激しい道で、体力を消耗させる。これに蒸し暑さが加わり、夜が明けて山梨県に入ると強烈な日差しが照り付け、集中力がきれてしまった。 昼過ぎになんとか石和温泉のレストポイントに辿り着いたが、時間的に余裕があるのか厳しいのかわからないので、経験者のランナーから情報収集をしたら、食事をしてから1時間ぐらい仮眠しても大丈夫そうなので少し仮眠をとらせてもらった。 仮眠したことで多少はリフレッシュできたが、スタート時に雨が降り始めた。この先、明るい内に旧笹子峠をクリアしたいので先を急ぎたいところであるが、石和から勝沼にかけて登りがダラダラと続くため中々距離が稼げない。勝沼付近には、ラン友さんが私設エイドを出していただいていたのでとても助かった。 16時ごろ、旧笹子峠への分岐点につき、気合を入れて登り始めたが、地元の住民の方に会うたびに、「クマに注意して」と言われる。と言われても進むしかないので昔の旅人が苦労した峠を登る。峠を越える部分にはトンネルがあるが、これにも未舗装の旧道があるということなので、これもチャレンジすることにした。ところがこれが大失敗となった。 3人で確信して入った道であるが何か様子がおかしい。倒木があるとは聞いていたが、その数半端ない。倒木を乗り越えたりくぐったりしながら進むと一部土砂崩れで道がふさがっているところもあったが前に進むとどこが道なのかわからない。探していると小さな沢の反対側に道があることがわかったが、しかし、どこで沢を渡ればいいのか分からず、藪をかき分け強引に降りていった。沢を渡り道らしきところを前に進むと丸太橋があり、これもそのような場所があるとは聞いていたが、先頭を行くランナーが片足を載せたらバキッという音がした。なるべく体重をかけないようにこれをクリアしたが、明らかに道が消滅している。行けば行くほど傾斜がきつくなり、やっとここで間違った道ではないかと判断した。もう少し早く気付けば良かったのであるが、あたりは既に暗くなり、ヘッドランプを付けても来たルートが分かりづらくなり、さらに下り急斜面ということもあり、滑りながら何とか来た道に戻ることができた。そして元の舗装路をトンネルに向かって走っていると、なんと「甲州街道古道入口」という看板がしっかりと設置されていた。我々が入った道には、「立入禁止」と書かれてあった。 結局1時間半ぐらい時間を無駄にしてしまい、完走が危うくなったので峠の下りはかなりのスピードで降りた。 峠を降りたところにはエイドステーションがあり、ここでしっかりと食事をとることができたので、気持ちを切り替えて再スタートしたが、ここからは雨が本格的に降ってきたためコンビニカッパを着ることになった。 大月を抜ける間、何度も眠くなったのでコンビニ休憩で10分ぐらいの仮眠をとりながらの走行となった。関門時間が気になり始めたが、タイムスケジュールを全く考えていないため頑張って前に進むしかない。鳥沢付近を過ぎると旧道は現在の国道20号線から大きく離れ、中高速道の北側を走る県道30号線となるが、次第に雨が強くなり、4~5人の集団で高速のガード下に退避し30分ぐらいしゃがんで寝ていた。目が覚めて歩き始めたが、寝ぼけていたせいか道を間違えてしまい、高速道路沿いを行くところをさらに県道30号線を進んでしまい、アップタウンの激しい道を5kmほど余計に走ることになった。 上野原付近で正規のルートに戻ったが、この先には小仏峠があり、その先に関門時間が設定されているので、ここで旧道コンプリートは諦め、現在の国道20号線を進むことにした。相模湖を最短ルートで抜け、雨の小仏峠に入ったが滑りやすいところもありスピードはだせなかったが、関門時間のある裏高尾のエイドには閉鎖時間の1時間前に到着したので食事をして閉鎖時間まで仮眠した。 仮眠のおかげで眠さは解消でき、エイド閉鎖時間の12時にスタートした。ここからはほとんどが国道20号線なので気が楽になった。残り40kmぐらいを8時間かけていけば完走が見えてくるので、取り敢えず調布の最終エイドまで頑張ることにした。 しかし、ここに罠があった。このエイド、実は関門時間が設定されていたのである。競技説明をよく理解していなかったため、エイドステーションを閉鎖する時間だと思っていた17時が、実は関門時間だったのである。そしてその関門直前で道を間違えるハプニングがあり、関門が見えてきたときは16時59分で、スタッフが異常な手ぶりで呼んでいるので念のため走ってエイドに到着した。なんと20秒前で関門アウトを逃れることができた。 色々とハプニングの末、ゴール関門22時の30分前、21時30分過ぎにゴールできた。走行中は多くのおかしなランナーさんとご一緒に走ることもでき、あれやこれやと楽しい旅になった。 |
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